【第52回】約束を守る

以前に比べたら美容師さんの給料も高くなりましたが、それ以上に美容学校の授業料も高くなりました。一般的な短大より高いのでは?親の負担を考えますと心が痛くなります。少子化の中、美容師人口が減っています。さらに、美容師定着率は年々悪化しております。

何故ならスタイリストになるまでは、朝から夜まで練習の日々、スタイリストになってからは自分のお客様を増やすために奮闘する日々。立ちっぱなしの仕事のため体力的にもきつく、接客業なのでお客様に気を遣いながら話し、時にはクレームを受けることもあり、精神的にも大変な仕事なのです。

美容師は表面上、華やかなイメージの職業として世間には知られています。しかし、実際にはお客様に対してかなり気を遣わなければならず、大変なことも多いのが事実です。

さらに日本の人口は減っている→人口の割合で老人は増えている→老人は行く店を決めている→老人の新規集客は田舎ほど難しい→若い子は高校を卒業すると都会に行く→でも美容室は増えている→美容室同士で客の取り合い→値段下げての低価格競争!こんな状態なのです。

基本的に美容室はスタッフの定着率が圧倒的に低い職業であり、参入してくる若手の人材などは、美容師の世界は華やかでカッコイイからと言う先入観でチャレンジしてくる人も多いです。しかし、いざ現場で勤務すると、そのギャップがあまりにも現実離れしている事から、その道を断念する人も多いようです。

何処のお店もスタッフ不足、当然スタッフ育成は悩みのタネかと思い、前回のメルマガ50回、51回と関連した記事でお伝えしましたが、皆さんどう思われましたか?メールにてご感想をお待ちしております。
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【面接時の約束を守る】
よく社員を大切にする「一緒に食事をすること」と考えて、密にコミュニケーションをとろうとする経営者さんがいます。社員との距離感でお悩みの経営者さんは多いです。どこまで親密な関係になれば良いのか、という部分ですね。一緒に食事に出かけるなどして社員との距離を近づけようと努力される方もおられますが、多くの場合、それは逆効果です。

社員の話をよく聞き、言った希望を実現してあげる経営者は、一見素晴らしいように思えます。しかし、これこそが組織崩壊であることに多くの経営者は気づいていません。社員は自分たちの要望が通ることで一時的に満足するでしょう。しかし、それを繰り返すうちに社員の欲望は膨張し始めます。

言えば叶えてくれるのだとなり、ビジネスモデルを破壊するような意見を上げ始めます。少人数なら何とかなるのですが、店舗展開をするなら、1人1人の希望を追って会社を変えようとすると、100%崩壊します。

経営者の仕事とは何なのか? 経営者の仕事は、雇用を守ることです。経営者の仕事とは、社員と仲良くなることでもなく、一緒に食事に行って悩みの相談を受けることでもありません。雇用を守り、彼ら彼女らの生活を守ることです。もし、離職に悩まない組織を作りたいなら面接で説明した雇用環境を忠実に守り、社員を大切にしていきましょう。つまり約束を守るということです。

事業設計の段階で用意した雇用環境を面接で丁寧に説明。その環境を喉から手が出るほど欲しがっている人だけを採用する。そして、面接で伝えた雇用環境を忠実に守り続ける。このシンプルなルールを守っている限り、社員から不満が出ることもありませんし、感謝され続けます。スタッフと食事するならご褒美感覚「感謝」が良いと思います。ぜひ参考にしてみてください。

ご興味のある方は、「リーダー育成倶楽部」よりお気軽にご相談下さい。