【第53回】現状を知る
【美容室の現状】
美容室にも赤字や経営難に陥るのには理由があります。実際に全国の90%以上の美容室が3年以内に赤字や経営難に陥ってしまうというデータがあります。特に美容師オーナーが陥りやすい赤字経営は「自分には技術力も提案力もあるから今までのお客様が来るから大丈夫!」という安易な考えで独立開業をした人です。
もちろん美容室経営の中で技術力は基本であって技術力が高い美容室にはお客様が集まります。しかし、技術力を追求することはしても、経営を追求せず、集客のアイデアもなく、データの分析もできず、SNSやホームページの更新もできず、お金の計算もできない人は美容室を経営するにおいて致命的です。
実際に10年継続できるサロンはたった5%しかないという厳しい状況です。技術力だけで経営を安定させるのは非常に厳しくまず無理だと思っておいた方が良いでしょう。美容室のオーナーが経営について本当にしっかり学んでいるのは5%くらいといわれている業界の中、「難しいから」とか「何とかなるだろう」と思って今まで経営の勉強に後回しにしていた人は、一度きちんと見直す時期だと思います。
財務に対するスキルや経営知識を身につけることが、美容室の経営において最も重要なことであり成功への近道です。少し先の話しかもしれませんが美容室の経営者の中には将来、多店舗展開をしたい人もいるでしょう。しかし、むやみに多店舗展開をするのは相当リスクが高いです。
もちろん、美容室の経営が軌道に乗って2店舗目、3店舗目を出店し、多くの利益を確保するのは正解といえますが、美容室経営は通常のビジネスと違い技術職であり物販ビジネスではありません。例えば、4人体制で回している美容室が無理をしてもう1店舗出店したとします。その新店にオーナーが異動してしまった場合、既存店はどうなるかというと、美容師が不在となり稼ぎ頭のオーナーの指名客も激減するので、結果的に経営難に陥ってしまいます。
なので、美容室の新店をオープンするのではなく「既存店舗での業務拡大」という方法に切り替えてみてはいかがでしょう。例えば、あなたが3店舗の美容室を経営しているオーナーとします。あなたの雇用しているスタッフが総勢12名だとすると、1店舗で12名体制にする方が利益率は断然高くなります。
現在3店舗~5店を店舗展開している美容室は、既に進んでいる新卒採用難や顧客の少子高齢化が重なり業績が伸びない傾向が多いので、今後多店舗展開を計画されている人はよく考えた方が賢明かと思います。さらに、利用者人口が減る中でのライバル店の増加、ライバルの大幅割引による低価競争。
新しくオープンしたお店は新規客を獲得するために大幅な割引集客をします。それにより、お客さんを取られることを恐れる既存店舗は対抗手段として、新規顧客を大幅割引により集めようとします。こうしたお客さんは、割引がしてあるから来店しますが、2回目以降、定価では来店しません。つまり、常に低価格の新規客で売上を作っていかないと行けなくなり、お店に利益は残りません。
そして、ずっと通ってくれている既存客は新規の人が割引で、自分たちはなんで定価なのか?だったら、割引してくれるお店に行くわ!と既存顧客の顧客流出も始まります。そうすると、美容室は、なんとか客数を補おうと労働時間がどんどん伸びていきます。そして、技術講習に行って技術に磨きを掛ければ来店してくれる方が増えるのではないか?と技術にばかり走るのです。
しかし、社長の思いもむなしく従業員たちは、頑張っているのに報われない労働環境、長時間労働に疲れ、給与も上がらない状況の中、ベテランスタイリストは、「だったら、自分でやった方が自由にやれていいよ!」と辞めて独立していきます。独立社長としてはやっと育ってきたのに・・・と思っても後の祭り!新人は、美容師そのものを辞めてしまうという悪循環。
こうして気付いてみれば、美容師の求人もおぼつかない中、自分が馬車馬のように働く毎日が続くという悪循環に陥ってしまうのです。
1.低価格メニューによる収益性の悪化(ようは儲からない)
2.長時間労働などの労働環境による離職率の増加
3.戦力アシスタントの独立
このような状況を改善して収益性を高め、お店に利益が残るようにしたいと思いませんか?労働時間を今より3分の2にすれば、労働環境が良くなると思いませんか?戦力アシスタントがいつまでも働きたい!と言ってもらえるお店になりたいと思いませんか?ご興味のある方は、「リーダー育成倶楽部」よりお気軽にご相談下さい。
【現状を知る】
これからの時代の高収益美容室の作り方をお話ししたいと思います。利益の取れる適正客単価の設定をして、優良顧客を獲得することが大事です。意識して取り組むべきことは、労働時間対利益を意識する、生産性をあげるということですね。この労働時間対利益を意識し生産性を上げるというのが多くの方が盲点となっています。
多くの美容師さんが、「丁寧な仕事=時間を掛ける」という認識が広がっているのです。しかし、これは時間を掛けるから丁寧で時間を掛けないから丁寧ではない!ということではないのですね。本来、お客さん全員が時間を掛けて欲しいと思っている訳でもないのです。限られた時間を有効活用したいと思っています。
1.ライバルが増えても店舗利益を伸ばし成長し続ける。
2.スタッフが働きやすい労働環境を実現する。
3.どうしたら、高収益美容室を作ることができるのか?
利益を増やしていくために
1.売上よりも利益を重視すること。
2.労働時間対利益を重視すること。
3.売上規模は追わないこと。
4.売上に直結しない固定費は掛けないこと。
5.広告投資を毎月継続的にすること。
6.固定費は変動費化すること。
私事ですが、当社は完全無借金黒字経営をしていますが、それは上記の6つを徹底しているからです。私たちは大手企業に対して店舗規模も従業員数も売上高もかないません。しかし、一人当たりの数値では比較できます。これは効率性を比較できます。どんなに売上を伸ばしても、月末にお金が残ってなかったら意味がありません。客数が伸びた。お店も忙しい!売上も伸びている。なのに、なぜ、お金が残ってないのか?
そういうお店が店舗経営のやり方を改善することで、お店にお金が残るようになります。基本、損益分岐点を超え出すと固定費は変わらないので相対的にお店に残る金額も増えていきます。なので、利益を増やす方向性としては・・・
1.無駄な固定費を減らす
2.一人当たり利益を増やす
3.売上を伸ばす
この3つなのです
「オンラインサポート繁盛店講座」
4月から9月「6回コース」募集開始 先着20人
詳細は、以下URLをご覧下さい。
https://kissho-juku.com/seminar_202103/