【第86回】若い頃の私に一言
前回のメルマガの反響が多かったのでシニア起業の失敗例をお伝えします。以下の事例は、念願の喫茶店を開業したものの、資金繰りが厳しくなり閉めてしまった事例です。
65歳を定年し勤めていた会社を退職しました。会社から多額の退職金をもらい、そのお金で「お店を持つ」と言い出しました。そんなに簡単じゃないから止めとけ!と言ったのですが、「自分がこれまでに頑張ってきたから貰えたお金なのだから好きにさせろ!」と言われたので、好きにさせました。
昔からコーヒーを飲むことが好きで、豆から挽いてコーヒーを飲むほど好きでした。店を持つとは「喫茶店」のことでした。住宅街に店舗を構え、店作りから始めました。内装もこだわり、豪華なものにしたため、退職金だけでは足りず、銀行から融資を受けました。
当初から父親が言っていたほどにはお客が入りませんでした。元手となった退職金は全部使っており、銀行から融資を利用しているため、毎月の資金繰りに苦労していました。1年ほど頑張っていたのですが、事業経営に行き詰まり、1年ちょっとで店を閉めることになりました。
私なりに分析すると、オープンした喫茶店に投資し過ぎたのが原因であると考えます。喫茶店の内装にこだわり豪華にしたため退職金が足りずに銀行の融資を利用し資金を賄っていたそうです。たしかに内装も大切なことかも知れません。
しかし、最初の段階で多くの資金を投入することはリスクでしかないのです。喫茶店を閉めることになった原因を深掘りして対応策を考えるなら、内装を豪華ではなくシンプルにして退職金だけで賄うことを考え、客足を伸ばすために、広告関連に力を入れるべきだったといえます。
シニア起業で失敗する理由のひとつには、起業を甘くみていることです。世の中はものすごい勢いで流れて行っています。以前まで成功したやり方もすぐに通用しなくなり、進化も早いのです。同じやり方でやっていたら失敗するのは当たり前、同じやり方に固執することはやめましょう。
【若い頃の自分に伝えたいこと】
ある会社ですが10代~70代の男女を対象として、年齢を重ね気づいた若い頃の自分に「○○はやっておけ!」と伝えたいことに関する調査を実施してランキングを作成、その結果を公開しました。主な調査結果は、以下のとおりです。
1位 外国語を学べ
2位 海外旅行
3位 人脈を広げておけ
4位 親孝行
5位 貯金
6位 健康に気をつけろ
7位 手に職をつけておけ
8位 恐れずに何でも挑戦しろ
9位 子どもとの時間を大切にしろ
10位 趣味や遊びに没頭しろ
という順でした。
【20代の自分へ】
1位「外国語を学べ」、2位「海外旅行」、3位「手に職をつけておけ」、4位「海外留学」、5位「恐れずに何でも挑戦しろ」
【30代の自分へ】
1位「外国語を学べ」、2位「人脈を広げておけ」、3位「貯金」、4位「健康に気をつけろ」、5位「海外旅行」
【40代】
1位「健康に気をつけろ」、2位「人脈を広げておけ」、3位「外国語を学べ」、4位「親孝行」、5位「趣味や遊びに没頭しろ」
若い頃の自分に「やっておけ」と伝えたいことのランキングトップは「外国語を学べ」。2位は「海外旅行」意外ですね。
<ろくじゅうにして、ろくじゅうかす・・・>
年齢を重ねていくということは、たとえば六十歳になったとしても、ただ六十年間生きたというのではなく、六十歳になってもそれなりに変化し向上する余地は残されているものだということです。
「昔の70歳と今の70歳は違うよね!」という言葉を聞きます。ますます高齢化社会を迎えるわが国においては、高齢者であっても元気でいて欲しいし、自分も含めて、社会に貢献できる存在であり続けたいと皆思っているのではなかろうか。それにしても、「七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず」の境地に達するのはいつの頃であろうか。
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【180日プロジェクト】※ 満員御礼!締め切りました。今回チャレンジ出来なかった方々の為に次回、また予定しています。